2014年8月4日月曜日

セブン&イオン 決算比較

株式会社セブン&アイHD VS イオン株式会社 決算比較
株式会社セブン&アイHDとイオン株式会社の決算を比較してみます。


株式会社セブン&アイHDとイオン株式会社の業績推移比較
両社の売上高を見てみると一時期はセブンのほうが上回っていましたが、11年をさかいにイオンが逆転しました。しかし営業損益、最終損益を見ると常にセブンのほうがイオンを上回っており、近年その差は拡大しています。

株式会社セブン&アイHDとイオン株式会社の損益計算書及び利益率比較
イオンの売上高利益率はやや低下していますがほぼ横ばい。それに対してセブンは11年から約6%近くも落としています。しかし、営業利益率を見るとセブンがここ数年数値を押し上げていることがわかります。

株式会社セブン&アイHDとイオン株式会社のバランスシート比較
両社のバランスシートを見るとイオンの総資産がセブンを大きく上回っています。同じような事業セグメントを持つため構成比は似ていますが、セブンの金融事業はコンビニに設置してある銀行ATMからの手数料が大きな利益を占めているのに対し、イオンは預貯金を扱う本格的な銀行業であるため流動負債が大きくなっているのが特徴です。また、利益剰余金を比較するとセブンがイオンを1兆円近くも上回っており順調に利益を積み上げていることがわかります。

株式会社セブン&アイHDとイオン株式会社のキャッシュ・フロー推移比較

キャッシュ・フローを比較するとやはり営業キャッシュフローの違いが目立ちます。両社とも継続して投資をしているのでフリーキャッシュフローはセブンがほぼプラス傾向、イオンはマイナス傾向です。この結果、イオンは有利子負債の圧縮を積極的に行えていないことが想像できます。



ともに成長を続けてきた両社に差が出てきたのはセブン-イレブンというコンビニの差でしょう。以前はコンビニ商品イコール定価というイメージでしたが、近年は積極的にプライベートブランドを展開し、店舗を回ってみるとかなりの商品がセブンブランドになっていることに改めて驚かされます。さらに高価格帯のセブンプレミアムや挽きたてコーヒーを提供するセブンプレミアムなどの大ヒットによって成長を加速させています。
一方のイオンはモール型ビジネスと金融ビジネスが収益の柱ですが、スーパー事業の落ち込みが足を引っ張り利益を落としています。モールを歩いてみると比較的若い家族が多くを占めていますが、今後高齢化が急速に進む中、シニア層の足がモールに向くかどうかが重要になってきそうです。