ニプロ株式会社の財務状況です。
一度は成長が鈍化したものの、ここ最近は大きく売上高を伸ばしています。
売上高は成長しているものの10年以降営業利益は減少しており、最終損益も低調です。
10年度と比較すると営業利益率は約6%低下しています。
有利子負債の割合が高く、総資産は増加するも自己資本比率は22%程度まで落ちています。
売上高は総資産の半分程度。ROAも下がり続けていて資産効率はあまりよくありません。
利益剰余金はコンスタントに増加しています。
営業CFがほぼ横ばいにもかかわらず投資CFは大きく膨らんでいます。その結果、借入などの財務CFが大きくプラスに傾いています。
最終損益に対する営業CFはかなり高めです。
医療関連セグメントが8割強を占めています。
医薬関連セグメントの営業利益率が15.6%と、医療関連セグメントの利益率を大きく上回っています。
売上高をみると医療関連セグメントのみ成長していますが、営業利益では医薬関連セグメントが成長を続けています。
地域別売上は日本が6割弱を占めており、他の地域も成長を続けています。
国内医療機器メーカーでは第3位の売上高です。
ここ5年程度で売上高を大きく伸ばしているニプロですが、利益がついてきていない現状です。会社HPの事業変革をみると10年ころから中国やインド、東南アジアを中心に積極的に幅広く海外展開を開始していることがわかります。その結果、借入が先行し財務状態が悪化しているようです。これら海外投資が成功するかどうかが今後非常に重要になってきそうです。